創作文:千早さんのこと

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  公式ブログの更新通知が来ていたのでのぞいてみると、来月発売されるニューシングルのジャケットが公開されていた。ジャケットの右寄りに控えめに笑う千早さんが据えられている。かわいい。今回は煌びやかなアイドル路線なんだな、クールな表情の千早さんも好きなのだけれど、これはこれで素敵だ。


 油断をすると顔がにやけてしまうので、頰に指を当てて口角をほぐしてみる。いつのまにかすっかり千早さんに夢中になってしまった。これまでアイドルの女の子なんてちょっと苦手な部類だったのに、自分は一体どうしてしまったのだろう。


 一呼吸置いてもう一度ジャケット画像を見つめる。


 ニューシングル発売の二週間後には千早さんのライブがある。チケットの取り方を友人に教わって何とかもぎ取った一枚。発券したチケットは自室のコルクボードに貼り付けており、ふとしたときに目に入ると心がはずむ。未来に期待が持てるのは良いことで、人並みに面倒なことも辛いこともある僕の生活に彩りを添えてくれる。


    春の陽気のような、この浮かれた時間は一体どこまで続くのだろう。自分でもこの気持ちがいつまで持続するのか分からないけれど、とにかく今は千早さんが歌って踊って輝く姿を追いかけることがただただ楽しいんだ。